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【Solana】Protocol Report: 全体像と主要な活用事例 – 歴史、エコシステムからDeFi、決済事例まで

公開日
2025-06-30
更新日
2025-06-30
株式会社Ginco

高速なトランザクション処理と低コストを両立させ、ブロックチェーン市場で確固たる地位を築くSolana。そのエコシステムの広がりは、DeFi、決済、物理インフラ(DePIN)など多岐にわたりますが、その技術的優位性や全体像を構造的に理解するのは容易ではありません。

本レポートは、特定のプロトコルを推奨するものではなく、Gincoが培ってきた実践知に基づき、Solanaを中立的な視点から体系的に解説するものです。Web3領域における事業開発やリサーチに取り組む皆様にとって、客観的な情報源となることを目的としています。

レポートは以下の2部構成です。

  • 【前編】(本記事): Solanaの歴史的背景、市場での立ち位置、エコシステムを支える主要組織やユースケースについて解説します。
  • 【後編】: パフォーマンスを支える8つのコア技術やその技術的特徴、開発者向けのツール群など、より技術的な側面を深掘りします。
【後編はこちら】
【Solana】Protocol Report: コア技術と開発環境 – Proof of Historyと、パフォーマンスを支える8つの仕組み

1.Solana 概要

プロトコルの市場環境

Solanaは、元Qualcommのエンジニアであるアナトリー・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko)が、グレッグ・フィッツジェラルド(Greg Fitzgerald)ら主要な貢献者たちと共に、「高性能なブロックチェーンプラットフォームを構築する」という構想のもとに設立されました。Solanaは2020年3月に正式ローンチされ、その高速なトランザクション処理速度によって、他の多くの既存ブロックチェーンネットワークを上回り、急速に注目を集めました。

Solanaのアーキテクチャの基本理念はシングルレイヤー設計(単層構造)にあり、多層構造にありがちな複雑性や非効率性を排除している点に特徴があります。このシンプルなアプローチにより、高スループット(処理能力)と低レイテンシ(遅延)を実現し、さまざまな分散型アプリケーション(dApps)を効果的に支えることが可能になっています。

Solanaは現在、Ethereum(イーサリアム)、BNB Chain、Avalanche(アバランチ)、Polygon(ポリゴン)などを競合とする、非常に競争の激しいブロックチェーン市場において主要なプロトコルの一つとして位置付けられています。先行者優位と広大なエコシステムを持つEthereumは依然として最大の競合ですが、その高額な手数料や低速な処理速度が、Solanaにとっての差別化要因となっています。

Solanaは、開発を簡素化する統合型ブロックチェーンモデルと、速度とコスト効率の高さに特化した設計によって、これらの競合との差別化を図っており、市場シェアを巡る競争の中で有力な候補として存在感を示しています。

Coinmarketcapの暗号資産時価総額ランキングを示す表。Bitcoin、Ethereumといった主要なプロトコルが上位を占める中、Solanaが6位に位置していることを示し、ブロックチェーン市場における有力なプレイヤーの一角であることを視覚的に裏
出典: Coinmarketcap (2025年5月13日午前10時点)


Messariが作成したSolanaエコシステムの全体像を示すマップ。「An Incomplete Map of the Solana Ecosystem」と題され、DeFi、コンシューマー、コミュニティ、インフラなどの大分類の下に、DEX、ゲーミング、ウォレットといった多数のカテゴリに分けられ、それぞれのプロジェクトロゴが配置されている。Solana上に多様なプロジェクトが存在し、広大なエコシステムが形成されていることを視覚的に示している。
出典:Messari

Solanaの差別化要素

Solanaは2024年に顕著な成長を見せ、主要なブロックチェーンエコシステムとしての地位を確立しました。2024年末時点で、月間アクティブアドレス数は1億を超え、Ethereumなど他のネットワークを大きく上回りました。SolanaのTVL(Total Value Locked、預かり資産総額)も過去最高を記録し、Jito や Jupiter Exchange などの革新的なDeFiプロジェクトによって70億ドルを超える規模に達しました。さらに、日次の分散型取引所(DEX)の取引量も時にEthereumに匹敵するなど、ユーザーの高い関与度と流動性の豊富さを示しています。

Solanaは、DeFi、NFT、ゲーム、エンタープライズ用途など、そのユースケースが多岐にわたる点も特徴です。例えば、USDCの決済におけるVisaとの提携や、分散型インフラを提供するRender Networkとの連携などが、その汎用性を示しています。DeFi領域では、Jupiter や Orca といったプロジェクトがスムーズな取引体験を提供しており、Solana Pay や Solana Mobile Stack によって、決済やモバイルdApp向けのユーザーフレンドリーな統合も実現しています。

また、ハッカソン や年次イベントの Breakpointカンファレンス など、コミュニティ主導の取り組みも活発で、開発者の参加とイノベーションを促進しています。さらに、Franklin TempletonやSociété Généraleといった機関投資家からの関心や戦略的な資金調達も、Solanaエコシステムの成長を後押ししています。これらの動きとあわせて、低い手数料と高い処理能力を持つSolanaは、Ethereumに対する有力な競合の一つとして、またWeb3領域における重要なプレイヤーとして、認識されています。

Messariのデータに基づき、Solanaの2024年におけるエコシステムの成長を示す指標の表。時価総額、DeFi TVL、デイリーアクティブユーザー数などの主要指標が四半期ごとにまとめられており、2024年を通じて各指標が大きく成長したことを視覚的に裏付けている。
出典:Messari

Solana主要指標の2024年第四半期実績

指標 実績
時価総額(Market Cap) 907億ドル
1日あたりの平均手数料支払いユーザー数(Average Daily Fee Payers) 5.1百万人
DeFiにおけるTVL(Total Value Locked) 87億ドル

2.Solanaが選ばれている理由・変遷

Solanaの歴史: Proof of History(PoH)とは

広く知られているように、分散システムにおける最も困難な課題の一つは時間の合意です。 Solanaの中核的な技術の一つである Proof of History(PoH) は、この分散型ネットワークにおける時間同期の問題を解決するために設計された仕組みです。

従来のブロックチェーンでは、すべてのノードがイベントの順序に合意する必要があり、そのためにはタイムスタンプの確認のためにノード間の通信が発生します。

これにより、ネットワークの遅延やレイテンシ(応答の遅さ)が発生してしまいます。

PoHは、Solanaの創設者である アナトリー・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko) によって開発されたもので、暗号技術に基づく「分散型の時計」として機能する点に大きな特徴があります。トランザクションが処理される前にタイムスタンプを付与することで、ノード間でリアルタイムに順序を合意する必要をなくし、大幅な遅延の削減を可能にしています。

この仕組みは、Verifiable Delay Function(VDF:検証可能な遅延関数) を活用し、あるイベントが発生したことだけでなく、それが時間軸のどこに位置するかも証明できるハッシュ値を生成します。

このVDFを用いて連続的なイベントのハッシュ値を記録していくことで、PoHは暗号的な証明の連鎖(proof chain)を構築します。これにより、バリデーター(検証者)たちはリアルタイムで通信をせずとも、イベントの順序に合意することが可能になります。


シンプルなアーキテクチャ:統合型ブロックチェーン

他のブロックチェーン、たとえば Ethereum のようにLayer 2(L2) ソリューションに依存してスケーラビリティを実現しているプラットフォームとは異なり、Solanaは統合型のアプローチを採用しています。

Solanaでは、すべてのトランザクション処理を単一のレイヤー上で完結させる、シンプルなアーキテクチャを採用しています。この統合型アーキテクチャは、マルチレイヤー型システムに内在する複雑性やリスクを回避しつつ、高い処理能力(スループット)と効率性を維持することを目的としています。

Solanaの統合型(モノリシック)アーキテクチャと、Ethereumのモジュラー型アーキテクチャを比較する図解。左側のSolanaは、「実行、決済、合意、データ可用性」の全てを単一のレイヤーで処理する様子が描かれている。対照的に、右側のEthereumは、これらの機能が「実行(L2s)」「決済(Ethereum)」「合意&データ可用性(Ethereum / Celestia)」といった複数の異なるレイヤーに分割されている様子が描かれている。この図は、本文で解説されているSolanaのシンプルな単層構造と、Ethereumの多層構造というアーキテクチャ上の違いを視覚的に表現している。
出典:CoinShares Research Blog

Solanaのアーキテクチャには、本レポートの後編で詳述する8つの主要な技術が組み込まれており、その中にはProof of History(PoH)のほか、Sealevel(並列トランザクション実行エンジン) や Gulf Stream(トランザクション転送メカニズム) などが含まれています。これらはすべて基盤となるプロトコルに統合されています。

Solanaのノードは、トランザクションを並列で処理する設計になっており、これはEthereumのEthereum Virtual Machine(EVM)における直列処理とは対照的です。この並列処理アーキテクチャにより、Solanaは1秒あたりのトランザクション処理数(TPS)を大幅に向上させています。

開発者とユーザーメリット

開発者向けには、SolanaはSolana Program Library(SPL) や Anchor Framework など、スマートコントラクト開発を効率化するためのさまざまなツールやフレームワークを提供しています。これらのツールにより、分散型アプリケーション(dApps)の開発における複雑さが軽減されるとともに、高いパフォーマンス基準も維持されます。Solanaでのスマートコントラクト開発には、Rust や C といった低レベルの制御が可能なプログラミング言語が使用されており、メモリやパフォーマンスの最適化を重視する開発者にとって魅力的な環境となっています。

また、ユーザー側の視点から見ると、Solanaは1秒あたり65,000件を超える高速なトランザクション処理と非常に低い手数料を実現しており、ユーザーフレンドリーなブロックチェーンプラットフォームの一つとなっています。Solanaのランタイム(実行環境)は、Sealevelというエンジンによって多数のスマートコントラクトを並列で同時に処理できるよう設計されており、複数の状態遷移を効率的に管理することを可能にしています。

3.Solanaエコシステムを支える主要組織

 Solanaエコシステムの成長は、プロジェクト、財団、企業といった多様な組織によって支えられています。これらの組織は、Solanaブロックチェーンの開発・運営・普及において重要な役割を担い、DeFi、NFT、インフラ、開発者向けツールといった各分野で活動しています。本章では、その中から主要な組織を紹介します。

Solanaエコシステムを支える主要組織の概要図

組織 主な役割 主な取り組み
a. Solana Foundation 助成金・資金提供, ガバナンス, 教育, エコシステム支援 Solanaハッカソン, 開発者教育, 規制機関との連携
b. Solana Labs コアプロトコル開発, エンジニアリング, 技術開発 Proof of History, Tower BFT, Sealevel実行エンジン
c. Superteam エコシステムの拡大, 開発者・起業家の支援 助成金の提供, メンタリング, プロジェクト支援

a. Solana Foundation

Solana Foundation は、Solanaブロックチェーンの成長と開発を支援する非営利団体です。
そのミッションは、分散型でスケーラブルなネットワークを構築し、オープンな金融システムを実現することです。
本財団は、Solana上で構築されるプロジェクトに対して、資金提供、助成金、リソースの提供を行っています。また、ガバナンスやプロトコルのアップデートにも中核的な役割を担っています。

b. Solana Labs

Solana Labsは、Solanaプロトコルの中核技術の開発を担う企業で、創設者のアナトリー・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko)らによって設立されました。
Solanaブロックチェーンのコアプロトコルの構築・保守を担当しており、財団がエコシステムの成長を支える一方で、技術的な進化とアップグレードの推進役を担っています。

c. Superteam

Superteam は、クリエイター、開発者、起業家から成るコミュニティで、特に新興市場におけるSolanaエコシステムの拡大を目指して活動しています。
主な役割として、dAppsやDeFiプラットフォームなどを開発するビルダーに対し、助成金、リソース、メンタリングを提供し、プロジェクトの加速を支援しています。
Superteamの使命は、地域の開発者やスタートアップに対して資金・支援・教育機会を提供し、アクセスの難しい地域でもブロックチェーン技術によるイノベーションを可能にすることです。

4. 主なユースケース

Solanaの高速かつ低コストなブロックチェーン基盤は、多様な分野で革新的なユースケースの創出を可能にしています。その高い柔軟性とパフォーマンスは、DeFi(分散型金融)や決済といった金融領域に留まらず、物理インフラネットワーク(DePIN)やゲーム、NFTといった新たな領域にも大きな影響を与えています。

本章では、Solanaが実際にどのように活用されているかを示すため、これらの分野における主要な活用事例を紹介します。

a. DEPIN(分散型物理インフラネットワーク)

Solanaのスケーラビリティは、物理的なインフラへの貢献をトークンで管理・分配するDePINプロジェクトにとって、理想的な基盤となっています。

ⅰ. Hivemapper / Bee Maps

  • 概要:分散型地図ネットワーク「Hivemapper」と、そのデータを活用した地図サービス「Bee Maps」。ユーザーはHivemapper Networkに車載カメラで収集したデータを提供することで、暗号資産の報酬を得られます。

  • 詳細: Hivemapper Networkでは、車載カメラ(ダッシュカム)を通じて収集された地理空間データをもとに地図を構築します。貢献者には報酬として$HONEYトークンが付与されます。このモデルは、Google Mapsのような中央集権型地図サービスに対抗し、個人の力を活用した地図の分散生成を実現しています。

  • Solanaとの連携:基盤となるHivemapper Networkは、高速かつ低コストな取引処理が可能なSolanaブロックチェーンを活用しており、$HONEYトークンの分配・管理の効率化を図っています。Solanaのスケーラビリティにより、地図ネットワークに必要なマイクロトランザクションを大量に処理することが可能です。

ⅱ. Render

  • 概要:レンダリング処理を必要とするユーザーと、未使用のGPUを持つユーザーを結びつける分散型GPUレンダリングネットワーク。
  • 詳細:Render Networkは、レンダリングタスクをトークン化し、ブロックチェーン上で管理します。アーティストや開発者は、複雑な3Dモデルやアニメーションをより高速・低コストで処理することが可能です。GPU提供者は$RNDRトークンで報酬を得ることで、視覚コンピューティングにおける分散型エコシステムが形成されています。
  • Solanaとの連携:Renderは、Solanaへの移行を完了し、その高速かつコスト効率の良いインフラを活用して、$RNDRトークンの取引管理や、NFT/dAppsとの相互運用性の拡大を進めています。

ⅲ. Helium

  • 概要:IoTおよび5G接続を提供する分散型無線ネットワーク。

  • 詳細:Heliumは、ユーザーがホットスポットを設置・運用することでグローバルなワイヤレスネットワークを構築し、報酬として$HNTトークンを得られる仕組みです。従来の通信インフラに比べ、コストを抑えてIoT接続を拡大できるのが特長です。

  • Solanaとの連携:Heliumは2023年にSolanaへ移行し、スケーラビリティ、処理速度、エコシステムとの互換性といった利点を活用しています。Solana上でのホットスポット報酬やデータ使用量の記録処理により、ネットワーク全体の効率とコストパフォーマンスが向上しています。

b. 決済:PayPal USD(PYUSD)

  • 概要:PYUSDは、米ドル建ての預金、米国債、その他の現金同等物によって1:1で裏付けられたステーブルコインであり、Paxos Trust Company によって発行されています。米国の対象ユーザーは、PayPalアプリ上で利用可能です。PYUSDは現在、Ethereum(ERC-20) と Solana(SPL) の両方のブロックチェーンで発行されています。
  • 詳細:PYUSDは以下のような方法で利用できます:
    • 売買(Buying and Selling):PayPalアプリ内で、PayPal残高や銀行口座、クレジットカードを使用して直接PYUSDを購入可能。
    • 送金(Transfers):他のPayPalユーザーや外部のEthereumウォレットへPYUSDを送ることができ、広範な暗号資産エコシステムとの相互運用性を実現。
    • 支払い(Payments):PayPal経由で加盟店に対しPYUSDでの支払いが可能となり、暗号資産のeコマースへの実用的な導入を促進。
    • 変換(Conversion):PayPal内で、PYUSDをBitcoinやEthereumなど他の暗号資産へ簡単に変換可能。

これらの機能を通じて、PYUSDはeコマースをはじめとする幅広いシーンでの実用的な決済手段となるだけでなく、従来の金融サービスと暗号資産エコシステムを繋ぐ役割を担っています。

c. ゲーム:STEPN

  • 概要:歩く・走る・ジョギングすることで暗号資産を獲得できる、フィットネスとゲームが融合したWeb3ライフスタイルアプリ。

  • 詳細:STEPNでは、NFT化されたデジタルスニーカーを使って、現実世界での運動(ウォーキングやランニング)を行うことで、$GSTトークンを獲得できます。
    アプリはソーシャル要素と金銭的インセンティブを組み合わせており、健康促進とゲーミフィケーション(ゲーム要素)を両立させたエコシステムを構築しています。

  • Solanaとの統合:STEPNはSolana上に構築されており、高スループットかつ低手数料の取引処理能力を活かして、NFT(スニーカー)や報酬トークンの管理・取引を行っています。
    SolanaベースのNFTと$GSTトークンのオンチェーン処理により、ユーザーにとってスムーズかつコスト効率の高い体験が実現されています。

d. NFT:Backpack

  • 概要:NFTの管理や分散型アプリケーション(dApps)との連携をサポートするウォレット兼プラットフォーム。

  • 詳細:Backpackは、NFTコレクターに向けた直感的でシームレスな体験を提供することに注力しており、NFTの保管、取引、マーケットプレイスとの統合といった機能を備えています。
    Solanaをはじめとする複数のブロックチェーンに対応しており、マルチチェーンでのNFT管理やdAppとの連携を簡単に行うことが可能です。

  • Solanaとの統合:BackpackはSolanaエコシステムと密接に連携しており、SolanaネイティブのNFTやdAppsに対応しています。
    Magic Edenのようなマーケットプレイスとの連携を通じて、Solana上のデジタル資産をスムーズに管理・活用できます。さらに、SolanaのSPLトークンにも対応しており、複数の資産を一元的に管理できるウォレットとして機能します。

e. DeFi (Decentralized Finance)

Solanaの高速性と手数料の安さは、特に高いパフォーマンスが求められるDeFi領域において、効率的なトレーディングや流動性の統合を実現するための大きな利点となります。

ⅰ. Raydium

  • 概要:Solana上に構築された自動マーケットメイカー(AMM)型の流動性プロバイダー。

  • 詳細:Raydiumは、分散型取引所(DEX)であるSerumと統合されており、高速かつ低コストなスワップ取引、イールドファーミング、流動性プールの提供を実現しています。
    この統合により、トレーダーは深い流動性と低スリッページ(価格差)で取引が可能となり、Solanaエコシステム内でのDeFi活動を支えています。

  • Solanaとの統合:RaydiumはSolanaにネイティブに構築されたAMMであり、Solanaの高スループットと低手数料を活かして、効率的なサービスを提供しています。
    また、Serumのオーダーブックインフラと連携することで、従来のAMMでは難しい“板取引に近い”体験をユーザーに提供し、よりスムーズで戦略的な取引が可能となっています。

ⅱ. Jupiter Exchange

  • 概要:Solanaに特化した分散型取引所(DEX)アグリゲーター。

  • 詳細:Jupiter Exchangeは、複数の流動性ソースを横断して最適なスワップルートを自動で選定し、ユーザーに最良の価格と低手数料を提供します。
    複雑なDEX取引をひとつのシンプルなインターフェースで完結できるため、初心者から上級者まで、Solana上でのトークン取引をより簡単かつ効率的に行うことができます。

  • Solanaとの統合:Jupiterは、Raydium や Serum をはじめとしたSolana上の複数のDEXから流動性を集約しています。
    Solanaの高速なトランザクション処理と低手数料を活かして、スワップ取引を迅速かつ最適なルートで実行し、ユーザーにより効率的な取引体験を提供しています。

ⅲ. Pump.fun

  • 概要:流動性提供や取引をゲーム感覚で楽しめる、ゲーミ化されたDeFiプラットフォーム。

  • 詳細:Pump.fun は、ゲーム要素と分散型金融(DeFi)を組み合わせた設計になっており、ユーザーが流動性プールに参加したり、報酬を獲得したり、チャレンジに挑戦することで、ゲームの要素を通じてDeFiに関与できる体験を提供します。
    この仕組みにより、従来のDeFiに興味を持ちにくかった層にもリーチしやすく、より幅広いユーザーの参加を促進します。

  • Solanaとの統合:Pump.funはSolana上に構築されており、Solanaの高速な取引処理能力と低手数料を活かして、高頻度の取引、報酬の分配、流動性プールとのやりとりなどをスムーズかつ低コストで実行できます。これにより、エンタメ性の高いDeFi体験を現実的な形で提供しています。

5. Solanaの全体像と、その性能を支える技術への橋渡し

ここまで、Solanaの歴史的背景、市場における立ち位置、エコシステムを支える主要組織、そしてDeFiや決済、DePINといった具体的な活用事例について解説してきました。これにより、SolanaがWeb3の世界でどのような役割を果たし、どのような可能性を秘めているか、その全体像をご理解いただけたかと思います。

しかし、その高速・低コストといったパフォーマンスは、具体的にどのような技術によって支えられているのでしょうか。前編ではSolanaの全体像とその特徴に焦点を当てましたが、後編ではその核心である、パフォーマンスを支える技術的背景を解き明かしていきます。

後編では、Solanaのパフォーマンスを支える「Proof of History」をはじめとする8つのコア技術を一つひとつ解説し、開発者が利用できるツールキットや標準規格に至るまで、その技術的な側面を深掘りします。

【後編はこちら】
【Solana】Protocol Report: コア技術と開発環境 – Proof of Historyと、パフォーマンスを支える8つの仕組み

※参考文献・Web

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